ITpro EXPOでNTTデータのOpenFlowデモを見てきた
NTTデータが先日発表したOpenFlowのマルチベンダ相互接続の展示をITpro EXPOしているというのを本日の朝にしったので急遽出張。OpenFlowのコントローラを作っているという話なのでそのあたりを詳しく聞くのが目的
展示内容
NTTデータの開発したOpenFlowコントローラと複数のベンダーが開発したOpenFlowスイッチの相互接続をするというデモ
ネットワークの構成要素は以下の通り
- OpenFlowコントローラ
- OpenFlowスイッチ
- ロードバランサ
- NetScaler
- ファイアーウォール
- Vyatta
- 仮想化環境
- Citrix XenServer
Hinemosで仮想ネットワークを図を書くように定義するとそれに合わせて設定してくれるらしい。物理ネットワーク画面上に設定されているフローの経路が表示され、一つのスイッチを無効化してそのスイッチを通らないような設定にすると、それを避けるように経路が再計算されて、新しい経路がスイッチに設定されるというデモだった。エンドホスト間でpingを送信し続けていて、経路切り替え時にはRTTが増加。
ブースの担当者の方との会話から
- コントローラがデベロッパーに見せるAPIをどのように設計するかというのは難しい問題で、協力しているNECさんも同じ事を言っている。APIがプリミティブだと作り込みが大変だし,抽象化したAPIだとかゆいところに手が届かないってことがあり得る
- HinemosはJavaベースで開発されているため,恐らくコントローラもJavaで開発しているだろう(実際に開発を担当した人が不在であったため詳細不明)
- SIerの立場から,お客様への対応を見越して,ノウハウの蓄積という意味でマルチベンダ間の相互接続検証を進めている
- 今回の発表やデモに名前が出せなかったベンダーもあり、そのスイッチについての検証を進めている
- コントローラがターゲットとするOpenFlowのバージョンは1.0.Ver. 1.1対応の実装ってのは現時点ではないはず
- OpenFlowスイッチの実装としては,Open vSwitchが標準的な実装だという考えでいる
- OpenFlowの仕様書の記述は甘いところが多いという印象がある
- 物理トポロジのディスカバリーはLLDPでやっている。この辺は、NECの実装も同じではないか。
- マルチベンダの相互接続時によくある,各社の実装の違いによる差の吸収がやはり大変だった
- フローテーブルの書き込みに対して各スイッチの反応時間がばらつきが原因でうまく動かなかったりした
- OpenFlowスイッチとしてしか動作しないスイッチと,単なるL2スイッチやルータとしても動くしOpenFlowスイッチとしても動くというような動作の違いがベンダーによってあった。
- プロトタイプのスイッチが実際に届いたのは2ヶ月前
- サーバー,VMの管理からネットワークの管理までを統合的に行えるところはアメリカにはほとんど無いらしい
- ブロケードはOpenFlowコントローラは作らないと宣言しているし,サーバからネットワークまでの統合ソリューションを持っているのはミドクラぐらいではないのか
- (今回展示したスイッチは商品化前提のプロトタイプなのか?という質問に対して)BrocadeとExtremeは確か製品として販売予定であるというような発表をもうしているはずで来年ぐらいには出てくるのではないか,Aristaはそのような発表をしてはいないのでどうなるのかよく分からないという回答
- 今は業界を盛り上げるのが大切.競合より協業.
- OpenFlowコントローラはまだ決定的なものがないので,今からでもメインプレーヤになれる可能性がある可能性があるのではないか
感想
やはり、プロトタイプのスイッチを入手して一緒になってInteropをやれるのは大企業だからこそと感じた。個人の場合は、まず、Open vSwitchくらいしか入手できないし。
Open vSwitchがOpenFlowスイッチの標準的な実装であるとか、Ver. 1.1準拠の実装がないとか、OpenFlowの仕様書の書き方が甘いとかというのは私の認識と同じだった。
Galibierの実装頑張らないといけないなぁ